アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎の治療は①予防治療②薬物治療③免疫療法④手術治療を中心に行います。
通年性」と「季節性」があり、後者の代表的なものに花粉症があります。

予防治療 原因物質(アレルゲン)の検索が重要です。代表的なアレルゲンとしてはダニ、ハウスダスト、スギ、ヒノキ、ブタクサ、カモガヤ、真菌、昆虫、犬、猫などがあげられます。当院でもアレルギー検査は可能ですので、希望の際はお伝えください。アレルゲンが特定できればアレルゲンを避ける生活を心がけることが大切ですが、なかなか現実的には困難かとも思います。
薬物治療 抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン拮抗薬、 主にステロイド点鼻薬などを中心に処方します。薬はさまざまな種類があり、組み合わせて使用することもできます。不思議と、効果のでる自分にあった薬剤とそうでないものがあるため、最初に効果がある薬剤を探していきます。
免疫療法 アレルゲンを体内に投与し続けることでアレルギー体質の改善を図る根本的治療です。約6割の方は症状が軽くなり、2割の方はほとんど症状がなくなります。逆に2割の方に効果はありません。治療期間は3年以上となり、時間的、経済的にも慎重な判断が求められます。
手術治療 通年して薬物治療が効果ないという重症の方薬物治療を希望しない方が適応になります。 下甲介粘膜焼灼術 、後鼻神経切断手術と粘膜下下鼻甲介骨切除術 などがあげられます。当院では 下甲介粘膜焼灼術 が可能です。


急性副鼻腔炎
顔面には、鼻腔の周りに副鼻腔と総称される洞窟がたくさんあります。副鼻腔に炎症がおよぶと、色のついた鼻汁、鼻づまり、頭痛、後鼻漏、嗅覚障害など様々な症状が出現します。多くは病原菌感染症であるため、効果のある抗生剤選び治療を開始します。

慢性副鼻腔炎
細菌培養同定検査、薬剤感受性検査の結果をもとに適切な抗生剤を選択することで細菌感染による急性副鼻腔炎はあまり慢性化することがなくなりました。しかしながら、1か月を経過しても改善しないような慢性副鼻腔炎の場合、さらなる原因精査やマクロライド系抗生物質の少量長期投与を数カ月にわたって行います。それでも改善しない場合は手術治療が検討されます。

鼻出血
出血源が特定できれば圧迫止血や電気焼灼止血を行います。出血源が特定できない場合は、ガーゼを鼻腔内に充満させるようにつめ圧迫止血を図ることもあります。

好酸球性副鼻腔炎
鼻腔内には鼻茸(鼻ポリープ)が多発し、気管支喘息を合併します。原因不明の疾患ですが、一時的にはステロイド内服、もしくは点鼻がよく効きます。しかし、ステロイドの長期投与は副作用が心配され困難です。

歯性副鼻腔炎
虫歯が原因で引き起こされる副鼻腔炎です。主に上顎洞に炎症を引き起こします。抗生剤治療に反応しない場合や感染を繰り返す場合は手術治療が検討されます。

真菌性副鼻腔炎
カビによる副鼻腔炎です。まれに破壊型真菌症を引き起こすことがあり、重症化することがあるため手術治療を含めた積極的な治療が望まれます。