難聴でお困りの方
補聴器購入時に公費負担制度があります
難聴が重く身体障害者に認定されれば、聴力に見合う補聴器を購入する際に、補聴器購入費用が支給され、多くの場合、無料で補聴器を手に入れることができます。
身体障害者福祉法15条指定医の診察をうけ、身体障害者(聴覚障害)該当する聴力の方は、身体障害者診断書作成の上、居住する市町村の福祉関係窓口に申請が可能となります。当院でも対応可能です。
補聴器のやさしい解説
1.補聴器を使う目的
補聴器は普通の大きさの声で話される会話が聞き取りにくくなったときに、はっきりと言葉を聞き取るための医療機器です。遠く離れた音や特別に小さな声を拡大して聞くものではありません。
どの程度の聴力になったら補聴器を使えばよいかは、その人の生活様式-ライフスタイルによって異なります。
例えば、仕事の上での会議などで聞き漏らしが許されない方は補聴器の積極的な利用が必要でしょう。しかし、仕事は引退していて、もっぱら会話が家族、友人とのものであれば必ずしも補聴器は必要ないのかもしれません。
自分が日常の会話で聞き取りにくいことが多くなったと感じたり、重要な会話が正しく聞けないと感じたら補聴器を使うことを考えてみてください。
2.補聴器が必要か?効果があるか?の判断は専門医の意見を!
自分自身や家族の判断だけでは、「補聴器が必要か?」、「効果が期待できるか?」を正しく知ることはできません。聴力検査の結果、および患者のおかれている環境を含めて総合的に判断することが必要です。
3.補聴器には多くの種類があります
補聴器はいろいろな種類(ポケット型、耳掛け型、耳穴型など)があります。難聴の程度に応じて、それぞれに最適と思われる機種の選択が必要です。少し聞き取りにくい軽い難聴用からほとんど声が聞き取れない重度の難聴用まであります。価格には大きな開きがありますが、高ければよいというものではありません。家庭での使用が主な場合には低価格のもので十分な機能を備えています。また、どの周波数帯の音を増強、減弱するかなどの設定、調整が正しくなされているかどうかが重要です。値段は、おおむね耳掛け型で約15万円前後、耳穴式で約25万円前後のもがスタンダードな価格帯と感じていますが、さらに低価格なものもあります。これも患者の置かれている環境により最適な機種はそれぞれですので詳しくはご相談ください。(当院では補聴器の販売はしていませんが、良識的な補聴器販売店を紹介可能です。)
4.補聴器は個人ごとに細かい調整が必要です
聴力障害にまつわる症状・状況には、会話が聞こえない、会話を誤って聞く、音が不快に聞こえるなど様々であり個人差があります。簡単な聴力検査だけではその人のことばの聞こえ方は分かりません。ことばがどのように聞き取れているか(語音聴力検査)を調べることで、補聴器を使う場合にどこまで聞こえるか、どのような限界があるかを予測できます。
難聴疾患のために障害を受けた耳の残された聴覚を使って、ことばを聞き分ける能力を最大限に発揮させることが、補聴器を最も効果的に使用できる重要な要素です。 そのためには、どの周波数帯の音を増強、減弱するかなどの設定、調整が正しくなされているかどうかが重要です。 補聴器装用当初は音自体をうるさく感じてしまい(以前よりも大きな音を補聴器を通して聞くわけですからあたりまえなのですが、、、)、不快感を訴える方も少なくないのですがおおむね3回程度の補聴器調整ののち、装用開始から3カ月程度で「慣れ」が生じてきます。